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痙攣重積への対応

更新日時: 2013/03/06  カテゴリ: てんかん, ポケットガイド

お疲れさまです。今日のテーマは、”てんかん重積発作の治療”です。
さて、痙攣が止まらない患者さんが搬送されてきた場合、どのような処置をすれば良いでしょうか?

てんかんフローチャート(簡易版)

基本的には、下記の図の流れになります。それぞれ薬名の枠をクリックして、投与量などの諸注意を確認して下さい。

てんかんフローチャート簡易版

各名称をクリックで詳細が見られます

第一選択薬(ホリゾン or ドルミカム) 第二選択薬(ホスフェニトイン or フェニトイン) 全身麻酔薬(イソゾール・プロポフォール など)

 

また、ノーベルバール(静注用フェノバルビタール)は、①②③のどのクスリとも代用可能とされています。 詳しくは日本神経学会のガイドライン(外部リンク PDF)を参照してください。

 

他に重要なこととして下記についてもそれぞれ確認しておきましょう。

気道確保

気道確保の際に筋弛緩薬を使用すると、痙攣の再発を見逃すことがあるため、筋弛緩薬を使用せず挿管する、あるいは筋弛緩薬にエスラックスを用いブリディオンですぐ拮抗するなど、対策を講じます。

ビタミンB1とブドウ糖の投与

てんかん発作の鑑別診断に、栄養障害性急性脳症(ビタミンB1欠乏)と低血糖発作があります。前者はビタミンB1製剤(アリナミン/メタボリンなど)を1A投与します。後者は血糖値を測定したうえで必要あればブドウ糖を投与します。

輸液路が確保できない場合
  1. ホリゾン1Aを注腸する。 ホリゾンの注腸はたいてい10分以内に効果を表します。呼吸抑制の合併症も少ないため静注より安全です。ホリゾンの筋注は勧められていません。
  2. 小児の場合、原液ドルミカムを鼻腔投与する。 ドルミカムの原液0.3mg/kg(0.03ml/kg)を細いシリンジで吸い、鼻腔に吹き込みます。この際、霧状化デバイスがあればさらに吹き込みやすいです。
鑑別診断

成人の場合でも、痙攣の前に先行感染徴候、発熱、意識障害、性格変化などがあった場合は、てんかんの原因として髄膜炎や脳炎を忘れてはいけません、治療のタイミングが遅れると、後遺症が残る可能性も高まります。

例えば、てんかんの既往歴のある患者さんや精神疾患患者さんが、てんかん発作の“再発”で搬送されてきた時などに、『いつもの発作でしょ』とタカをくくり、中枢神経感染症を疑わず、抗てんかん薬のみで対応してしまうと、てんかんが止まりにくいだけでなく、後遺症を残してしまいます。このため、疑わしきはルンバールを実施して、髄液の性状を確認しておきましょう。

◇◆◇

また、小児の痙攣重責対応についても、

を参考にしてください。

 

ノーベルバール

更新日時: 2013/03/05  カテゴリ: てんかん, ポケットガイド

ノーベルバールは静注用のフェノバルビタールです。
痙攣重責に対する投与量は15~20mg/kgです。

たとえば、体重が50kgだとすると、初回投与量は、

15~20mg/kg×50kg = 750~1000mg = 3~4バイアル
3~4バイアルをそれぞれ5mlの生理食塩水で溶解する。
それを50mlもしくは100mlの点滴溶液で希釈し10分以上かけて点滴投与する。

以下のノーベルバール資料を参考にしてください。

 

皮下・筋注製剤との比較

製品名 ノーベルバール静注用250mg フェノバール注射液100mg
剤形 バイアルバイアル
(白色の塊又は粉末・凍結乾燥注射剤)
アンプルアンプル
成分、含量 1バイアル中、
フェノバルビタールナトリウム274mg
1アンプル(1mL)中、
フェノバルビタール100mg
添加物 一切含有していない
(フェノバルビタールとして250mg)
・クロロブタノール
・グリセリンジエチルエーテル
pH 9.2~10.2 7.8~8.8
浸透圧比 2.5~2.6 約19
投与経路 静脈内 皮下または筋肉内
最高血中濃度
到達時間
該当しない 4~6hr

 

ノーベルバールの投与方法

【1.新生児けいれん】
初回投与量(20mg/kg) 維持投与量(2.5~5mg/kg)
体重 1kg 2kg 3kg 1kg 2kg 3kg
投与量 0.4mL 0.8mL 1.2mL 0.05mL 0.1mL 0.15mL
*:臨床試験においては投与量の倍量をとり、2ccに希釈してその半分(1cc分)を直接手押しにて投与した。場合によりインフュージョンポンプを用いることも考慮する。
【2. てんかん重積状態】 15~20mg/kg (体重は50kgと仮定)

初回投与: 15~20mg/kg×50kg=750~1000mg=3~4バイアル

  1. 3~4バイアルをそれぞれ5ccの生理食塩水、注射用蒸留水で溶解する。
  2. それを50ccもしくは100ccの点滴溶液で希釈し、10分以上を掛けて点滴投与する。
維持投与:
投与量は規定されていないが、
投与する場合には新生児けいれんの維持投与量(2.5~5mg/kg)を参考にする。

* 50kg×2.5~5mg/kg=125~250mg(0.5~1本)

1バイアル(250mg)を5mLの生理食塩水、もしくは注射用蒸留水に溶解する。濃度は、50mg/mLとなる。

 

用法・用量例:てんかん重積状態

フェノバルビタールとして15~20mg/kgを1日1回静脈内投与

 

より安全に投与するために①(てんかん重積状態)

ノーベルバールの調整
  1. ノーベルバール静注用250mg1バイアルに、5mLの注射用水又は生理食塩液を加え、軽く振って溶解する。
    溶解後は、速やか(6時間以内)に使用する。
  2. 50mg/mLの濃度となるので、体重に応じて必要量を採取し、必要に応じて生理食塩液などで希釈する。
投与前に確認すること
  1. 家族が同伴している場合は、既往歴などを確認する。
  2. 血圧、脈拍数および呼吸数などのバイタルサインを確認する。
  3. 緊急蘇生ができる状態であることを確認する。
投与中に注意すること
  1. 10分以上かけて、ゆっくりと静注する。
    また、100mg/分を超えないように投与時間を調節する。
  2. 常時、バイタルサインを観察する。
  3. 急激に呼吸数、心拍数が下がった場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
投与終了後に注意すること
  • フェノバルビタールの血中濃度半減期は60~100時間程度であることから、
    投与後も継続したバイタルサインのチェックを行う。
 

全身麻酔薬(イソゾール・プロポフォール など)

更新日時: 2013/03/05  カテゴリ: てんかん, ポケットガイド

第一選択薬と第二選択薬で発作が抑制されない場合、全身麻酔法が必要です。
全身麻酔薬にはイソゾール(バルビツレート)やディプリバン(プロポフォール)があります。
それぞれの投与方法は以下の通りです。

イソゾール 1A=500mg

体重(kg)×50mgのイソゾールを生食50mlに溶くと、
1mg/kg/h=1ml//h となる。
イソゾールの推奨投与量は1~5mg/kg/hなので、
上記溶解液を1~5ml/hで微量静注すればよい(最初は3~5ml静注)。

たとえば、
体重60kgの場合、
60(kg)×50mg=3000mg を、生食50mlに溶くと、
1mg/kg/h=1ml//h となる。
これを、1~5ml/hで微量静注すればよい(最初は3~5ml静注)。

プロポフォール(500mg/50ml)

0.1ml/kgで静注
0.03~0.3ml/kg/hで持続投与

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