未来の救急医たちへ

救急救命士の経験を活かし救命救急センターへ

◎大ベテランの救急救命士
◎救急救命士から救急コディネーターとして救命救急センターに勤務する

救命救急センター勤務を希望されたきっかけはどういったところから?

東京消防庁で救急救命士として15年、救急の現場で25年近く仕事をさせていただき、いくつかの災害現場も経験しました。30年間の消防生活を振り返ったとき、他の仕事も経験したくなりました。この経験を医療の現場で生かせることができるか?との思いがあり、そんな時に太田教授からお声を掛けて頂きましたのがきっかけです。

日々激務の連続だと思います。特に大変だ、と感じる時は、どんな時でしょうか?

私の仕事は、救急コディネーターという立場で、救急外来を中心に救命救急センタースタッフの一員としてチーム医療にも関わらせて頂き、あるいは救急救命士等の病院研修の受け入れ、院内災害対応など多義に渡りますが辛いと感じることはあまりありません。

それでも救命救急で勤務し続けていらっしゃるのはなぜでしょうか?

救急医療の流れの中で自分の役割をと心に決め重要な仕事であると自覚し、上司や他の医療スッタフからの後押しを感じて日々充実した毎日を送れることです。

救命救急で学んだことはなんですか?

あまりに多くてどれとは言えませんが、一つ上げるとすれば臨床現場で多くの医療スッタフや患者様とそのご家族、更には救急隊と関わりを持ち、今さらながら相互の信頼関係を構築することの大切さです。

現状の救命救急に関してお感じになっている問題点などはありますか?

一人でも瀕死の状態の患者の命を救いたいとの思いから、救急医療体制が構築されプレホスピタルケアから救急医療へと先人の熱い思いから一連の流れができつつありました。

しかし、それが今崩壊する危機に直面しています。救急病院は閉鎖や縮小が相次ぎ、救急医療を志す医師も減少しています。少子高齢化が進む中、救急出場件数は右肩上がりで救急隊をいくら増加しても追いつかない状態です。救命救急センターの医師を取り巻く環境は依然厳しい状態です。

しかし、我々救命救急スッタフはその情熱を絶やさないように院内各科や地域の医療機関と相互連携をさらに強固にして救命救急を支え合う必要があると考えます。

将来、救命救急で働きたいと考えている方々へ伝えたいことはありますか?

私は救急救命士という資格を持ち医療機関といういわば畑違いの職場で仕事をさせて頂いていますが、取り分け救命救急センターは、その中でもその資格を生かしやすい場所であると思います。救急救命士の資格を生かすには、消防救急が最適と思いますが、その前に臨床経験を積みたい、或いは次のステップにと考えてやってみたいと思う方は是非トライしてみたらどうでしょうか。

未来の救命救急に望むことを教えてください。またそのためにはなにが必要でしょうか?

現状を見る限り未来展望は楽観できないと思います。しかし、地域の医療機関や行政機関が一体となり相互に協力体制が構築されれば大きな変化が期待できると確信いたします。

救命救急に未来があるとすれば、それに携わる人々の「救命」に対する気持ちではないでしょうか。

先月千葉へ転勤したある先生がこんなことを仰っています。「心」は誰にも見えないけれど、「心づかい」は見える。「思い」は見えないけれど、「思いやり」は誰にでも見える。きっと、私たちが実践する医療はそういうものであると思うし、そうありたいと思う。と・・・実に意味があると私も思います。

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